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歯周病の病因論〜炎症と免疫応答〜  [歯周病]

「事件は免疫応答で起きてるんじゃない!現場で起きているんだ」
「B細胞さん!聞こえるか?どうして現場に血が流れるんだ!!」
免疫について調べていたら、こんなセリフが頭の中を駆け巡る。答えは最後の方に。

歯ぐきが腫れて痛いです。歯を磨くと血が出ます。歯ぐきが赤くなっている

これらは全て歯ぐきに炎症が起きていることを示しています。
健康な歯を磨いて傷をつけて血が出ることは滅多にありません。
ほとんどがプラーク(ばい菌)がついていて歯ぐきが炎症反応を起こしている状態です。

現場で起きているのは、炎症反応の結果
もっと簡単にいうと、「ばい菌が侵入しようとしている、もしくはばい菌が入っている状態」であることがわかります。

細菌が体内に侵入し、悪さをするので、これを防止するために白血球が細菌と戦っており、このために腫れて、痛くて、熱が出るのです。この戦いで死んだ白血球と細菌が膿となって出てくるのです
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プラークの付着や歯ぐきの腫れは、現場で起きていますが
しかし、歯周病の本質は、免疫応答である
そして
「歯周炎の重症度は、歯に付着しているプラークの量と、付着していた時間の長さの単純な関数ではないこと、そして、この疾患に対する感受性が人によって異なることが分かっている」

「細菌の攻撃と生体の防御の均衡の破綻」が発症の原因です。


「EuroPerio9で発表された新分類
この包括的分類は、最新のエビデンスに基づいており、歯周炎の病期診断および等級付け体系を含むもので、重症度と疾患の程度を示し、生涯にわたる罹患体験や、患者の健康状態全般を考慮したものとなっている。臨床上の健康状態が分類内で初めて定義され、歯周炎は、重症度の軽いものから重いものへと4段階で説明されている。疾患進行率とリスクは、進行のリスクが最も低いものから高いものへと3段階に分類された。この等級付けでは、喫煙や、糖尿病などの合併症のような危険因子が考慮される」
とあるように、

時間軸による歯周疾患の推移を考え、年齢と破壊の程度を考慮し、生活習慣に配慮する。
実際の臨床では、初診時の問診が重要さを占めてきます。

罹患度
①どのくらい歯周病に罹患しているのか?(いつころから歯磨きで出血したのかなど、患者の全身状態の影響度は?
進行性
②どのくらいの進み具合なのか?今後どんなスピードで進行しそうか?進行リスクはどうか?
反応性
③歯周基本治療の反応性、治療に対する反応度はどうか?喫煙、糖尿病なのどの危険因子による影響
を見ることとなる

このように、複雑な要因が密接に絡み合って発症するのが歯周炎であることは明確である。
歯周組織における生体防御反応として、免疫応答の炎症反応として詳細を知っておくことが肝要であることは明白である。そして、勉強しなおしました。

ということで、炎症反応、免疫応答についてまとめなおしました。

炎症

◎炎症とは
 炎症は生体が傷害を受けた際に起こす反応である.すなわち,細胞や組織が傷害された際にこれを取 り除いて再生するための反応で,生体にとっては防御的なものである.

◎炎症の徴候
 炎症の徴候として,古くから,ケルススの 4 徴:発赤(赤くなる)・発熱(熱が出る)・疼痛(痛い)・ 腫脹(腫れる) が知られている.これにガレノスの提唱した機能障害(動かせないなど)を加えて炎症の5 徴候という.

◎炎症の原因 炎症が起こるためには,その原因となる有害な刺激が存在する.
その原因として大きく分けて,生物学的因子・物理的因子・化学的因子の 3 つがあげられる.
 
 生物学的因子:病原体の侵入によっておこる感染症一般を意味する.感染症の原因としては,細菌, 真菌,ウイルス,原虫,寄生虫などがあげられる.
 物理的因子:機械的外力,電気・紫外線・放射線,また,高温による熱傷や低温による凍傷など, ある一定以上の刺激が炎症の原因となる.
 化学的因子:化学物質による障害であり,重金属や有機溶剤による中毒,酸・アルカリによる腐食 などが含まれる.

◎炎症の種類
 炎症はその経過によって,急性炎症と慢性炎症に分けられる.経過がすみやかで早期に終息する炎症 を急性炎症という.一方,組織障害が長期にわたる場合や,原因となる病原がなかなか処理されない 場合には炎症が長引く.4 週間以上に長引く炎症を慢性炎症という.

◎炎症細胞
 炎症の起こる場所に集まって,炎症の主役を演じる細胞を炎症細胞という.この炎症細胞には,好中球などのように,主として急性期に見られる炎症細胞と,リンパ球やマクロファージのように慢性期に見られる炎症細胞とがある.

◎炎症の経過

1) 局所の組織障害
さまざまの原因によって組織が障害されると,崩壊した細胞や血小板などから,ヒスタミンやロイコトリエンなどの種々の化学伝達物質が放出され,炎症が引き起こされる.

2) 局所の循環障害と血漿タンパクの滲出,炎症細胞の浸潤 放出されたヒスタミンなどのある種の化学伝達物質は,血管に作用して局所の血管壁の透過性を亢
進させる.そのため,血漿タンパクの滲出を容易にし,局所への炎症細胞浸潤を促す.また,ロイコトリエンなどのある種の化学伝達物質は,好中球などの遊走を促進する.
このように,化学伝達物質のはたらきによって,好中球などの急性期の炎症細胞が炎症局所に集まり,これらの細胞から積極的に放出されるタンパク質分解酵素などによって,炎症はさらに増強される.

3) 有害物質の除去と組織の修復
組織の障害が一段落し,急性の炎症反応がある程度おさまると,残った有害物質や壊死に陥った組織を取り除く作業,また,欠損した組織をもとに戻す作業が行われる.この作業を修復という.リンパ 球は免疫反応を介して病原の排除にはたらく.好中球が処理できなかった病原体や壊死細胞は,マクロファージによって貪食される.また,欠損した組織は線維芽細胞によって作り出される膠原線維 によって埋められ修復される.
こうした一連の修復過程において,除去された老廃物を運搬するために,また組織の修復に必要な材 料を輸送するために,豊富な毛細血管が構築されて肉芽組織と呼ばれる組織が形成される.組織の修 復が進むにつれ,毛細血管は減少し膠原線維成分が増していく.このようにして,肉芽組織はやがて瘢 痕組織と呼ばれる線維性組織に置き換えられていく.


◎炎症の各型
1) 変質性炎
細胞や組織の変性・壊死は高度に見られるが,滲出や増殖が生じていない状態を変質性炎という.肝細胞の変性・壊死が見られるウイルス肝炎や熱傷などの際に見られる.

2) 滲出性炎
局所の循環障害と血液成分の滲出を特徴とする炎症である.滲出する成分の違いによって以下のように分類される.
・漿液性炎
ほぼ血清(血漿からフィブリンを除いた成分)と同じ成分の滲出を主体とする炎症であり,火傷のときに見られる水疱や,虫に刺されたときの腫れ,アレルギー性鼻炎などがあてはまる. ・線維素性炎
多量の線維素(フィブリン)の析出を特徴とする炎症をさし,肺・胸膜・心外膜などに見られる. 粘膜の線維素性炎に壊死を伴うときは偽膜性炎といい,大腸粘膜にみられることが多い.
・化膿性炎
細菌感染による好中球浸潤を主体とする滲出性炎である.膿瘍や蜂窩織炎などが含まれる.
 膿瘍:組織が欠損して新たに生じた空洞の中に,好中球や壊死物のかたまりである膿汁を含む状態.
 蜂窩織炎:びまん性の好中球浸潤と浮腫を特徴とし,急性虫垂炎などがあげられる.
・出血性炎
赤血球の血管外への漏出,すなわち出血の著しい炎症をいう.インフルエンザ肺炎が代表的である.
・壊疽性炎
嫌気性菌の感染などが加わった,特殊な壊死の形態を壊疽とよび,壊疽の著しい炎症を壊疽性炎という.急性虫垂炎が放置されて進行すると,しばしば壊疽性炎と呈する.

3) 増殖性炎 線維芽細胞の増殖を特徴とし,持続性の刺激に対して引き起こされる炎症反応で,慢性炎症でよく見られる.肝硬変や肺線維症などがあげられる.

4) 特殊性炎(肉芽腫性炎) 増殖性炎の特殊なものであって,肉芽腫形成を特徴とする.結核菌や真菌など,処理のしにくい特殊な病原体によって生じることがほとんどである.結核や梅毒などがあげられる.

免疫
◎免疫とは
 一般に免疫とは、「体内に侵入した病原体を排除し,病気の発症を免れるはたらき」をいう.特に、ある感染症に罹患していったん治癒すると,同じ病原体が再び侵入しても免れる場合に,この現象をさして,しばしば「免疫ができた」と表現する.これは,「生体内に侵入した病原体を非自己として認識し,この病原体を積極的に排除する仕組み」が働くからである.この仕組みを免疫応答という.
 免疫の仕組みによって非自己として認識される病原体などを抗原という.いったん認識された抗原はリンパ球によって記憶され,2 回目以降はすばやく効果的に排除される.このような免疫学的記憶によって,同一の病原体が再び侵入しても,発症を免れることができるのである.
 ◎免疫担当細胞
免疫の機序に関与する細胞を免疫担当細胞という.すなわち,抗原刺激に対して,その特異性を判別して特異的に関与する細胞群をいい,T 細胞,B 細胞などのリンパ球やマクロファージなどが含まれる.
1) T細胞(Tリンパ球)
 骨髄の造血幹細胞が胸腺 thymus において特殊な分化を行ったあと T 細胞となる.T 細胞は,主に細胞性免疫をつかさどり,結核菌・真菌の感染防御,ウイルス感染細胞やがん細胞の排除,移植片の拒絶などの役割を担っている.

2) B細胞(Bリンパ球)
胸腺を介さずに直接骨髄 bone marrow で成熟・分化して作られることから B 細胞という.B 細胞は 液性免疫を担当する.抗原の刺激を受けると,B 細胞は形質細胞とよばれる細胞へと分化し,抗原に 対応した抗体を産生する.

3) ナチュラルキラー細胞(NK細胞)
T 細胞にも B 細胞にも属さないリンパ球の一群であり,自然免疫系の細胞である.がん細胞やウイル ス感染細胞などを,抗原非特異的に殺傷する能力を有している.

4) マクロファージ(抗原提示細胞) 大食細胞とも呼ばれるマクロファージは,活発な貪食能を有する細胞である.炎症局所で壊死組織や病原体などを貪食し処理する.
免疫反応においてマクロファージは,処理した抗原物質を T 細胞に提示するという重要なはたらきをもっている.そのためにマクロファージは抗原提示細胞とよばれる.
T 細胞は,抗原提示細胞によって提示された抗原を認識することによって,免疫応答を開始する.

◎抗体と補体
抗体や補体は細胞成分だけでなく,血清中に存在するタンパクの一種である.
1) 抗体
抗体は B 細胞から分化した形質細胞によって産生されるタンパク質で,免疫グロブリン
immunoglobulin(Ig)とも呼ばれる.抗体は IgG・IgA・IgM・IgD・IgE の 5 種類に分けられる.抗体は対応する抗原に対して高い親和性をもっており,またその結合性は非常に特異的である.たとえば, ある種の抗体は毒素やウイルスと結合して,その毒性や生理活性を失わせる力をもつ.この作用を中和という.また,抗体は補体と結合する部位をもち,補体と抗原の橋渡し役も担っている.

2) 補体
 補体は,「抗体のはたらきを補助する」するという意味からきている.補体は抗体と結合することに よって活性化され,抗原となっている細胞や組織を傷害したり,融解させる作用を有している.また, 補体には,抗体が抗原と結合することによって生じる,さまざまな機能を増強するはたらきもある.

◎液性免疫と細胞性免疫
抗原を認識した B 細胞は,形質細胞に分化して抗体を産生・放出するが,体液中の抗体は,対応する抗原と特異的に結合することによって毒素やウイルスを中和する.このように,抗体を介してはたらく免疫反応を液性免疫という.

これに対して,T 細胞は抗体を産生する能力を持たず,細胞と細胞との接触を介して免疫反応を引き 起こす.このような T 細胞を主体とする免疫反応を細胞性免疫という.

体液性免疫は、自分の手を汚さず対処する 室井さんタイプ
細胞性免疫は、自らの手で抹殺する 青島タイプ

T細胞刑事による
「B細胞さん!
どうして現場に血が流れるんだ!!」ってセリフが聞こえてきそうだ
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